XPでメイリオ

Vistaで導入された新フォント「メイリオ」をXPでも使う方法を紹介します。なお、この方法を合法的に行うにはVistaとXPの正規のライセンスを持っている必要があります!

2007.01.08作成


Step 1. メイリオフォントのファイルをゲット

まずVistaの\WINDOWS\Fontsディレクトリからメイリオのフォントファイルmeiryo.ttc (7,633KB)とmeiryob.ttc (7,866KB)を取り出す。

Step 2. フォント幅の修正

VistaのメイリオフォントをそのままXPに入れると、今までのMS UI Gothicに比べてかなり文字間隔が広くなって間延びした表示になってしまう。そこでメイリオフォントの文字間隔をMS UI Gothic相当にしてくれるツールmeiryoKeを使う。

meiryoKe配布場所 http://www.geocities.jp/meir/

上記サイトからmeiryoKe_gen_1.00rev1.zipを取得する。解凍し、出てきたmeiryoKe_gen_5.00rev1.exeをmeiryo.ttc、meiryob.ttcのあるディレクトリに置いて実行する。するとmeiryoKeGothic.ttc(9,044KB)、meiryoKeGothicB.ttc(9,267KB)が生成される

Step 3. TrueTypeフォント名修正

Step 2で出来たメイリオフォントを\Windows\Fontsディレクトリに入れ、「画面のプロパティ」の「デザイン」タブの「詳細設定」ボタンから行ける「デザインの詳細」でフォント名を一つ一つメイリオに設定してもそれなりに見栄えは変わるが、スタートメニューなどメイリオにならない部分もたくさんある。これらの箇所を変えるにはレジストリをかなり変更しなければいけない。

それは面倒なので、ここではメイリオフォントファイルのフォント名情報を変更してメイリオをMS UI Gothicに見せかけてしまうようにする。ここではTrueTypeフォントの登録名を 変更するttfname3というツールを使う。

ttfname3配布場所 http://www003.upp.so-net.ne.jp/kish/ttfname3.html

上記サイトからttfname3.zipを取得し、解凍して出てきたttfname3.exeを使って以下の作業を行う。

  1. まず、オリジナルのMS UI Gothicのフォントファイルmsgothic.ttc (8,079KB)をXPの\WINDOWS\Fontsフォルダから取得する。
     
  2. 続いて、ttfname3.exeにmsgothic.ttcをドラッグドロップする。するとmsgothic.xmlが生成される。
     
  3. 次に、生成されたmsgothic.xmlと、Step 2で作成したmeiryoKeGothic.ttcを2つまとめてttfname3.exeにドラッグドロップする。するとmsgothic_mod.ttc(9,028KB)が生成される。これでMSゴシックに見せかけたメイリオフォントファイルのできあがり。ファイル名をmsgothic.ttcに変更しよう。
     
  4. 最後に、msgothic.xmlをコピーしてmsgothicb.xmlという名前にし、その中のSubfamilyの「Regular」「標準」と書いてある部分を「Bold」「ボールド」に変更し、UniqueIdentifier、FullName、PostscriptNameについても「MS Gothic」を「MS Gothic Bold」に、「MS ゴシック」を「MS ゴシック ボールド」にするなど修正を加え、最後にmsgothicb.xmlとmeiryoKeGothicB.ttcを2つまとめてttfname3.exeにドラッグドロップする。するとmsgothicb_mod.ttc(9,250KB)が生成される。これはMSゴシックに見せかけたメイリオフォントのボールド版。こちらはファイル名をmsgothicb.ttcにしよう。

なお、ここで生成されたMSゴシック偽装のメイリオフォントファイルを開いてもオリジナルのMSゴシックが表示される 場合があるが、これはXPがフォント名で実際に表示するフォントを決めているためらしい。ファイルの区別が付かなくなったらファイルサイズで判別しよう。

Step 4. XPへの反映

XPの\WINDOWS\Fontsフォルダを開き、msgothic.ttcファイルを適当な場所(デスクトップなど)にコピーする。msgothic.ttcは使用中なので、移動は出来ない。

次に、作成したMSゴシック見せかけメイリオフォントファイルmsgochic.ttcとmsgothicb.ttcを\WINDOWS\Fontsフォルダに上書きコピーする。

最後にXPを再起動。これでXPのすべてのフォントがメイリオフォントになる。ClearTypeを有効にしよう。ただしログイン画面だけはClearTypeが有効にならない。

Step 5. ClearTypeの調整

ClearTypeを微調整したい場合はPowerToys for XPのClearType Tunerをインストールする。これはMicrosoftの公式なツールで、 「画面のプロパティ」では設定できないフォントの太さや液晶パネルのRGBの順番(RGBかBGRか)まで指定できる。

http://www.microsoft.com/windowsxp/downloads/powertoys/xppowertoys.mspx

画面右側の"Download"の中にあるClearType Tunerをダウンロードしてインストール。するとコントロールパネルの「デスクトップの表示とテーマ」に「ClearType Tuning」が追加される。

XPでメイリオの制限事項

メイリオをMSゴシックに見せかけているため、MSゴシックを使っている文章ファイルが全部メイリオになってしまう。また、MSゴシックより微妙に文字幅や高さが大きいため、MSゴシックに合わせてサイズが決められているダイアログやボタンなどで文字がはみ出てしまう。ボタンがクリックできなくなる場合もあるので、その場合はTABキーを使ってフォーカスを移動させる必要がある。

明朝フォントはメイリオ化できない?

今のところメイリオの明朝版は存在しないので、Word文章などで多用されるMS明朝はそのまま。でもあのギザギザを見たくない、という人はMS明朝のビットマップフォントを削除することで、フォントサイズを小さくしてもClearTypeが有効になるようにすることができる。

その方法は後日掲載予定・・・

リモートデスクトップでClearTypeを有効にする方法

XPまでのWINDOWSに標準で着いてくるリモートデスクトップクライアントはClearTypeには対応していないため、せっかくXPをメイリオ化してもリモートデスクトップ経由だとMSゴシックの時より汚い表示になってしまう。

これについては現在MicrosoftがClearTypeに対応したリモートデスクトップクライアント(バージョン6.0)を作成中で、英語版は既に以下のURLで2006/11/28にリリースされている。日本語版はまだ提供されていないが、近いうちに公開されるだろう。なお、英語版リモートデスクトップクライアントは日本語版WINDOWSにはインストールできない。

http://support.microsoft.com/kb/925876

なお、Vistaに付属のリモートデスクトップクライアントはClearTypeだけでなく、Vistaから導入されたAeroインターフェイスにも対応している。ただしVistaのリモートデスクトップクライアントの実行ファイルを取り出してXPで実行することはできない。