「ナスカの地上絵」はご存じだろう。砂漠に溝を掘って描かれた巨大な絵である。UFOを呼ぶためとか、気球で上から眺めていたとかいろいろ言われているが、最近新たに「星座ではないか」という説が出てきて注目されている。それまでも星座説はあったが、地上絵が星座と似ても似つかなかったため注目されていなかった。ではなぜ今回の星座説が注目されているかというと、「当時の人々は西洋とは違う見方で星を眺めていた」という点に言及しているからである。
具体的には「星と星との間の、闇の部分に形を見たのではないか」とその説は述べている。まだ出たばかりの説で研究はこれからだが、現代の常識をひっくり返すそのアプローチは大変ユニークだ。今後の究明が楽しみである。
ナスカへの遊覧飛行の中継地、イカ。リマから左くらいの飛行機(15人乗り)で来て、右のセスナ(パイロット込みで6人)で遊覧飛行に行く。ちなみに写真はイカ空港の風景で、手前の木造平屋っぽいものが「空港ビル」の一部である。管制塔も当然木造やぐら。
有名な「ハチドリの地上絵」(似たような形でコンドルの地上絵もある)。セスナは絵が見える地点に来ると絵の周りを旋回してくれる。しかし地上絵は写真の通り結構見づらく、広大な砂漠の中から絵を見つけるのには時間がかかる。
添乗員さんは「カメラじゃ色薄くて撮れないですから、目で見て下さい!撮ることばかり気にしていると見逃しますよ。」と言っていたが、実際旋回中のセスナから地上絵をブレずに撮るのは大変な作業。筆者のは幸い撮れていたが、ピントの合いにくいコンパクトカメラや「写ルンです」などだと厳しいだろう。
地上絵の美しい幾何学的描写は、ナスカ文明の土器に描かれた絵(「おみやげ」のページで紹介している鳥の絵を参照)にもその片鱗が見られ、土器の場合はさらに原色を使った鮮やかな色彩が添えられる。これら土器はリマの天野博物館に多く展示されているが、どれも日本の土器にはない遊び心のあるユニークな形状をしており、当時の様子を思い描くと大変愉快である。
地上絵「ツリー(木)」。右の車と比較すると絵の大きさがわかるだろう。意外と小さい感じがするが、「ツリー」は地上絵のなかでも小さい方で、コンドルはこれよりふたまわりほど大きい。赤いやぐらは地上絵研究の第一人者マリア・ライヘ女史が周囲の地上絵を観測するために作ったもの。