クスコから空中都市・マチュピチュへ至る道のり(上図参照)は高山鉄道を利用するのが一般的である。クスコからマチュピチュまで片道4時間を要するが、美しいウルバンバ地方の山や谷、遠くに万年雪をかぶったアンデスの山々が次々と車窓に現れ、決して飽きることはない。
今回参加したツアーでは、途中のオリャンタイタイボという遺跡を訪れる関係で、列車に乗車したのはオリャンタイタイボ−マチュピチュ間だけであった。乗車できなかったクスコ−オリャンタイタイボ間は700メートルほど高度差があるためスイッチバックが数多くあり、それらが見られないのは少し残念だった。
左はオリャンタイタイボ駅の様子。写真右に見えるカラフルな布はおみやげ屋おばさんの商品。旅行客が集まるところにはおばさんも集まる。
ここではゆでたトウモロコシも販売していた。といっても、黄色くて甘い日本のものとは大違いで、長さは15センチほどで白っぽく、1粒が1センチ角ほどの大きさで、甘くなくねっとりとしたでんぷん質の味がする。現地ではこれを主食として食べている。一本買い求めて食してみたが、風味はたしかにトウモロコシ。しかし異常に腹にたまって後で食事が食べられなくなり苦労した。
右はオリャンタイタイボに到着した列車。この列車は「アウトバゴン」と呼ばれる観光用の車両で、座席は全席指定、各車両にマチュピチュのビデオが流れるテレビがあり、車内販売のサービスもある。席の広さは日本の列車と同じで、大阪や名古屋の新快速のような転換クロスシートであった。
ちなみにこの列車は車両故障で4時間遅れて来た。このような遅れは日常茶飯事らしいので、ペルーでタイトなスケジュールの旅行をするのはかなり危険だろう。
ウルバンバ川を行く列車。非常に厳しいカーブが多く、列車の平均速度は30Kmくらいだろうか。平行する一般道はさらに脆弱。なお、昨年末ここらへんは洪水に見舞われ、線路の路盤が流出して今年(99年)2月まで列車が運休していたとのこと。
ウルバンバ川は、川下りも楽しめるらしい。日本からだと日程的に観光名所を見るだけで精一杯だが、地理的に南米に近い欧米の人は結構気軽に川下りやトレッキングをしに来ているとのこと。
なお、列車以外の観光客向け交通手段としては、クスコとマチュピチュのふもとを結ぶヘリがある。列車が運休していたときはこのヘリを使って観光客を輸送していたとのこと。
マチュピチュのふもとの町、アグアス・カリエンテス。町の名前の由来はずばり「温泉」で、右の写真のように公共の温泉もある。銭湯の富士山のごとくマチュピチュの絵が飾ってあるところが面白い。左の写真は駅前通りの様子。観光客目当てのおみやげ物屋が延々と連なっている。