青年海外協力隊 ニジェール活動日記 2005/02/15〜2005/05/14

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カリマハロ技術訓練校の様子

週1回授業をしているカリマハロ技術訓練校については今まで何度かふれていますが、今回はそこの情報工学科(正確には「メンテナンス科」)の様子をもう少し詳しく紹介します。

校舎の外観です。広い敷地内に、平屋の校舎、寮、学食堂が並んでいます。

ここカリマハロ技術訓練校は高等専門学校という位置付けで、中学卒業資格を持った15歳〜18歳くらいの生徒が3年の課程で工業技術の習得に励んでいます。

メンテナンス科の様子。このメンテナンス科は前任の協力隊員の助力によって立ち上げられた新しい科で、日本から寄贈されたパソコンを使って授業が行われています。

授業はパソコンのメンテナンス(設置・修理)に関するものが中心です。この部屋ではWindowsのインストールなどの授業を行い、別にある工房では実際にパソコンの中を開ける授業が行われています。

コンピュータネットワーク学習用のLANもあります。
日本から寄贈されたパソコン。キーボードが日本語のままなので、フランス語OSで使うと思うように文字(特に記号)が入力できずちょっと大変。

あと、扱いが雑なので、まだ1年も経っていないのにいくつかのパソコンのフロントパネルがもう壊れています。こちらの人はケースのフタがうまく開かないとき、その仕組みを観察して開け方を考えるということをせず、引きちぎって開けてしまうためです。

工房の様子です。
課外実習のレポート発表の様子。メンテナンス科の学生は2年次に省庁や民間企業で2週間ほどの課外実習を行います。内容は「Windows XPのインストール」や「ハードディスクの交換」といったものです。
発表会には、他学科の生徒が詰めかけました。配属先のEMIGの卒論発表会もそうでしたが、ニジェールの若者はこういう発表会にとにかくよく集まりますね。
審査員からは、厳しく質問が飛びます。もっとも、実習の内容はまだそれほど高度なものではないので、質問の内容はもっぱら生徒が説明の中で使った用語の解説を求めるものでした。
窓の外からも覗く生徒が居ました。彼らは約2時間の間、ほとんどおしゃべりもせず熱心に聞いていました。
ある日行われた、学生集会の様子です。中央で演説をしているのが生徒代表です。
彼らは直接省庁に待遇改善の要求をしに行くなど、かなりアグレッシブに行動をしているようです。

ただ、ここカリマハロ技術訓練校では生徒の力が強すぎて、学校側が生徒の言いなりになっている傾向があります。この日も正規の授業時間を潰して集会が行われましたし、ある休日と休日の中日には、授業がある日なのにも関わらず生徒達は授業をボイコットして勝手に連休にしていました。午前の前半のコマが休講になっていた時、後半のコマは授業があるのに生徒がもうほとんど学外に出て行ってしまっていて授業が成り立たなかったこともありました。これはこの学校に限らず、ニジェール全土の学校で見られる傾向だそうです。

ニジェールの教育機関の問題について

ニジェールの知識人がよく「ニジェール人は民主化をきっかけに、自分たちの権利を過大に解釈するようになった」と嘆くのを聞きます。実際、ニジェールの教育機関では教師側・生徒側ともストライキは自分たちの権利だとして頻繁にストライキを行い、半年経っても新学期が始まらないような事態があちこちで起こっています。このカリマハロ技術訓練校は休講が多いものの授業が行われている分、ましな方のようです。

ただでさえ教員や学校の不足で悩んでいるニジェールで、さらにあるものがストライキで十分活用されていないというのは本当に泣きっ面に蜂の状況です。教師側ストライキのそもそもの原因である給料遅配を減らす一方で、公務員のストライキ禁止など国家基盤を整える施策も、クーデターを招かないように慎重に、行っていかなければならないのでしょう。

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