青年海外協力隊 ニジェール活動日記

2005/12/24〜2006/03/12



ブルキナ土産、ひょうたん製の象の置物
張り子の虎のように首が動きます

ブルキナ

ニジェールでは、7月〜9月の3ヶ月がバカンス期間で、国中の教育機関が休みになります。小中学校や高校では生徒も職員も3ヶ月間全く学校に来ないので、学校勤務の隊員 もこの間は基本的に休みになり、皆思い切りあちこち旅行に出かけてリフレッシュしていました。

自分の配属先のEMIGは、バカンス中も一般向け講習会や省庁の会議の会場となるため学校自体は休みにならず、職員が各自1ヶ月の休みを交代で取る形を取っています。もっとも、通常の授業は無いので皆結構暇に時間を過ごしていました。EMIGの学生はバカンス中、全員寮を引き払って帰省しなければいけません。学生のいなくなった寮は、ニジェールに旅行や研修に来た国内外の若者の宿として使われます。フランス人学生が人文系や農業系の研究のため1ヶ月ほど滞在していることもよくあります。

学校勤務以外の隊員も、バカンス中は皆結構暇になります。このバカンスの期間はニジェールの場合雨期と重なるので農繁期となり、村人が皆畑仕事で忙しく、隊員が何か企画を立てて村の人を集めようとしても集まらないからです。なお、植林の隊員は、雨が降るこのバカンスの季節が仕事の最盛期になります。

今回はこのバカンス中に行った活動や旅行の様子を紹介します。

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任国外旅行〜ブルキナファソ編

ブルキナファソの人口は1240万人(2004年推計)で、ニジェールの1210万人(2004年推計)とほぼ同じですが、面積は27万4000平方キロで、ニジェールの126万7000平方キロと比べると約5分の1です。日本が37万8000平方キロなので、日本よりも一回り小さい国です。

ニアメからブルキナへの行き方

隣国ブルキナファソの首都ワガドゥグはニアメからだいたい600kmで、ニジェール第二の都市マラディと同じくらいの距離です。日本で言うと東京〜大阪の距離に相当します。ニアメからの移動手段は飛行機、バス、タクシードブルース(乗り合いワンボックス車)の3タイプがあり、飛行機は週約2便で往復16万フランセーファ(約3万2千円)くらい、バスだと大体片道15,000フランセーファ(約3000円)くらい、タクシードブルースの値段は分かりませんがバスと大差はないはずです。

この中でJICA関係者が使えるのは飛行機だけです。というのも、陸路の移動はブルキナ側の国境付近にいる強盗団に襲われる危険があるためです。バス会社も強盗団には手を焼いていて、軍の護衛を付けて運行しているバスもあるようです(「当社のバスは軍の護衛付き!」というバス会社の広告を見かけました)。もっとも飛行機の運賃は往復でバスの5倍ですから、普通の人はそれでもバスを使います。

飛行機は最近往復4万フランセーファ(約8000円)くらいの格安航空会社も出てきましたが、欠航や遅延が多く、事故の際の保障にも問題があるなどの理由でやはりJICA関係者は利用できません。

その他の国からブルキナへの行き方

パリからはほぼ毎日首都ワガドゥグへの便があります。モロッコ、セネガル、コートジボアールなどの近隣諸国からも便が多くあります。パリ便は週2便だけ、しかもパリ−ワガドゥグ便が途中立ち寄る形のニアメとは随分差があります。

ブルキナは長距離バスがたくさん走っています。 ニジェールではタクシードブルース(乗り合いワンボックス車)しかないような100km前後の距離の町にもバスが出ていて、発車時間が決まっているので便利です。乗り心地も安全性もタクシードブルースよりずっと良いです。

やはりたくさん走っているだけあって使い込まれたバスが目立ちます。ニジェールのバスと違って、屋根の上にも荷物を積んでいました。

ブルキナにはあちこちに溜め池があり、その水で乾期をしのいでいます。 写真はワガドゥグから50kmほど郊外にあるボケンという町の溜め池です。対岸にバオバブの木が生えています。
溜め池の傍の野菜農園です。

ブルキナはニジェールより野菜がかなり安く、少なくとも半額、産地に近いと何倍も安くなります。写真の野菜農園がある町の市場ではこの時期キャベツが一玉50フランセーファ(約10円)で、これはニアメの6分の1から10分の1です。逆に言うと、ニジェールでは自国で果物や野菜が十分採れず、輸入しなければならないので高いのです。

ボケンの町の教会。ステンドグラスも入った立派なものです。ブルキナの宗教はキリスト教・イスラム教・原始宗教(精霊信仰)が同じくらいの割合で、仕事のスケジュールはラマダン(断食月)や一日5回の礼拝といったイスラム独自の習慣に合わせられていないので、イスラム教徒にとってはちょっと窮屈そうです。
町中にはヤギやヒツジと一緒に豚が放し飼いにされています。イスラム国のニジェールでは考えられないことです。豚は水たまりに浸かるのが好きで、いつも汚い 格好をしているから嫌、と案内してくれた現地の隊員は言っていました。
焼き豚屋の釜。豚肉を焼く窯は決まってこの形なんだそうです(ドラム缶を使った簡易な釜もあります)。
焼き豚屋の釜で蒸し焼きにされた豚肉。ニジェールの露天でも牛肉やヒツジ肉で同じようなものが食べられますが、豚肉の旨みはまた格別です。
ブルキナの庶民料理はセネガルやコートジボアールの料理とよく似ています。写真はリ・ソース・アラシッド(ピーナッツソースごはん)。キャベツとモツを 、セネガル風のピーナッツソースで煮込んだものがご飯にかかっています。 これで150フランセーファ(約30円)。おいしいですがモツは噛み切るのが大変。

庶民料理にもしっかりと野菜や肉が入っているのには驚きです。ニジェールでは同じ値段を出しても肉のかけらが1個入るだけ、野菜は全く入りません。ブルキナはそれだけ物価が安いのでしょう。

ブルキナ人はモツが好きらしく、普通の肉はどこに行ったのだろうと思うほど料理にモツを多く見かけます。街角で売っているフランスパンのサンドイッチにも、トマトソースで煮込んだホルモンが入っていました。

コートジボアール料理のアチャケ。?????

トマトときゅうりの角切りがパラパラとかけられ、その上に魚の輪切りのフライが乗っています。これで50フランセーファ(約10円)というのは信じられません。ニジェールでは魚の輪切りだけで100フランセーファ(約20円)取られます。

市場の中の小屋でアチャケを売る少女たち。奥にベンチがあってそこで食べられます。
ブルキナの町の様子。ニジェールの町より人が多くて活気があるように感じます。ブルキナはニジェールと人口はほぼ同じですが、国土はぐっと狭いので人口密度が高いのでしょう。
村の様子はニジェールとあまり変わりませんが、周りに緑が多く、集落と集落の間隔がかなり短いように感じました。

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