青年海外協力隊 ニジェール活動日記

2006/06/03〜2006/07/21



テラで見かけた牛柄のヤギ

帰国まであと1ヶ月

ニジェールを離れる7月11日まで、残すところあと1ヶ月になりました。この1ヶ月は、活動の締めくくり、カウンターパートや同僚への引き継ぎ、JICAへの最終報告書の作成、住居の片付け、見残していた他の任地や観光地訪問・・・とやることが山のように出てきて、この2年間で一番忙しい日々でした。

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任国内旅行〜アヨロ観光

首都ニアメから160キロほど北にアヨロ(Ayoro)という町は、野生のカバを見たり、家の壁に絵を描く伝統的な習慣を持つ村を訪問できるため、ニジェールを訪れる外国人観光客もよく行っているところです。 野生のカバは以前別の場所で見たことがあったのですが、壁に絵を描く村は見たことがなかったので、帰国間際のスケジュールの中なんとか1日都合を付けてレンタカーで日帰り観光をしてきました。

アヨロはニアメからレンタカーだと片道2時間、公共交通機関だと6時間かかります。協力隊員はアヨロとニアメの中間にあるティラベリまでは入っていますが、ここアヨロには入っていません。

野生のカバのビューポイントと絵を描く村にはどちらもピロッグ(小舟)に乗って行きます。料金の相場は客が6人ほど乗れる船一艘貸し切りで2000セーファ(約400円)。

毎度の事ですが、船頭は相場の10倍近い料金を請求したり、「この人数では船が二艘必要だ」とかいってふっかけてきますので、こちらもいつものように押して引いての厳しい値下げ交渉をします。このときは 隊員の皆で5分ほど粘ってようやく相場まで落としました。

ピロッグに乗ってニジェール川を下っていきます。川幅は広いのですが、途中浅瀬で流れが急になるところもあり、船が倒れてカメラが駄目になったらどうしよう、と少しひやひやしました。
カバの群れは、アヨロの町から15分ほど川を下った浅瀬にいました。全部で4〜5頭の家族のようです。

カバは警戒心が強く、近づきすぎると襲われます。下流の村では、最近村人がカバに噛み殺されたそうです。このときも30mくらい離れた岸部からカバを観察しました。

上の写真の拡大

次に、カバのビューポイントとアヨロの町との間にある、壁に絵を描く村を訪れました。この村はアヨロ発祥の地だそうです。

子供がよりかかっている、白い漆喰が塗られた壁一面に、右の写真のような絵が描いてあります。描かれているのは虫や羊、魚といった身近な生き物のほか、何かの紋章のような幾何学的な図形もあります。

絵はその家の奥さんが描きます。雨が降れば消えてしまうので普通は雨期の後に描きますが、タバスキ(謝肉祭)やラマダン(絶食月)などの イスラムのイベントの際にも描くそうです。

村の中央にあるモスク。最近は村でもモスクだけは白いコンクリート製の立派なものが建っていることが多いですが、ここは昔ながらの土壁のモスクでした。
反対側から見たモスク。村の規模に比べるとかなり大きなモスクです。
各家から頼まれて絵を描く、プロの絵描きおばさんの家。おばさんの家には鮮やかな絵が壁一面に書いてあります。

なお、ここを見るには1人500セーファ(約100円)のチップが必要でした。


絵描きおばさんの家の絵。青と赤の絵の具で描かれています。

おばさんの家は、中もびっしり描き込まれています。
近所の子供たち(絵描きおばさんの子供?)。家の周りの壁にも模様が描いてあります。

この地域はソンガイ族の人が多く、彼らの顔つきは首都周辺のザルマ族とはちょっと違います。 ここは外国人がよく来る場所なのに子供たちが全然物をせびってこないのには感心しました。

アヨロのホテル。シャワーや洋式トイレ、ベッドのある外国人向けのホテルです。観光用のピロッグもここから発着します。今回は日帰りでしたが、 レストランらしいレストランはここにしか無いので、ランチはこのホテルで摂りました。

ホテルのランチ。クスクス(唐人ヒエ)と揚げた川魚です。ぱりぱりしていて結構いけます。

雨期の始まりのこの時期、地方都市に野菜は全くありません。ホテルのすぐ側で開かれていた市場でも野菜は全く見かけませんでした。ランチのメニューにはサラダ やデザートも入っていたので何が出てくるかと思ったら、缶詰野菜のドレッシング和えや缶詰のフルーツでした。

写真にはありませんが、アヨロの市場にはボロロやトアレグなどの遊牧民族(ボロロ祭の報告参照)も商品を売りに来ており、またマリに近いこともあって珍しい輸入品が売られていたりして、ニアメの市場とは違う面白さがありました。 来てみてよかったです。

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