青年海外協力隊 ニジェール活動日記  2006/06/03〜2006/07/21

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最後の授業・卒論指導

ニジェールの学校は6月末で学年が終わるため、この1ヶ月は担当している授業の期末試験や、卒論のプレゼン・論文指導を行いました。

この時期は学内のあちこちで休み時間に試験勉強している学生を見かけます。
情報学科2年生に3期173時間教えたC言語の授業も無事終わりました。写真は教え子とカウンターパートとの集合写真です。この日は残念ながら学生は6人しか来なかったのですが、本当は11人います(残りの5人が来なかった理由は後述)。
最後の卒論発表。
最前列には発表者の家族が総出で来ています。

発表者の友達も多数見学に来ていて、卒論発表後審査員から合格が伝えられると満場の拍手で発表者を迎え、「お前も今日からテクニシアン・スペリエール(高等技術者)だな!」と皆で合格を祝っています。小学校の就学率が30%、成人の識字率が15%しかないこの国で日本の大卒に相当する高等技術者免状を取るのは本当にすごいことなのです。

残り5人が来なかったのはなぜ?

C言語の最終授業があった日のあたりにイスラムの休日があったのですが、休みの日を決める月齢の判断が微妙でマラブー(地区のイスラム指導者)によって前日が休みだという人と今日が休みだという人がいたため、授業に来た6人は前日に休み、授業に来なかった5人は今日休みを取ったのです。イスラムの休日はマラブーが月の満ち欠けを自分の目で見て判断するため、このように国や地域、地区によって休日が違うということが起こります。


援助機関の視察

配属先は多くの援助機関に援助の依頼を出したり、ニジェールの企業・官公庁向けに技術研修サービスの宣伝をしているため、頻繁に外部からの視察が来ます。視察が来るときは学校長から全学科長に見学の準備をするよう指示が出て、情報学科でもカウンターパートと同僚が慌ただしくテーブルの上を拭いたり、備品を整理整頓したり、画面にプレゼン用資料を表示させたりして視察に備えます。

この日はフランス大使館の人が援助の可否判断のために視察に来て、各学部を見て回りました。

インターネット接続の効果

今回の活動で学内LANとインターネット接続が実現したことにより、配属先はインターネット接続が条件の企業・官公庁研修を引き受けられるようになりました。

技術を教えられる講師がおり、エアコン付きのコンピュータルームや大講堂があり、喫食設備やエアコン付きの宿泊施設もあるEMIGは研修先としてはかなり良い選択肢なのですが、インターネット接続が無いことが大きな弱点でした。今回の活動によりその弱点が無くなったため、今後はより多くの技術研修を受け入れて稼ぐことが出来るようになります。特に企業の研修は一度に100万円から400万円近い収入が得られるためEMIGの財政の大きな助けとなります。


スタッフへの学内LAN講習会

6月最終週に、配属先スタッフへの学内LAN講習会を行いました。

講習の項目はEMIGのインターネットの利用ルール(業務時間帯は許可された人以外インターネットに接続できないことなど)、インターネットの閲覧の仕方、履歴やお気に入りの使い方、検索サイトやWikipedia・Webメールの利用、ページの保存方法、電子メールの送受信とメール作成、ファイル共有、メッセンジャー、ウィルス対策です。各部門で1〜2名づつ講習受講するスタッフを選んでもらい、彼らに対して3回に分けて講習を行いました。
LAN利用講習会の様子。同僚がスタッフに操作を教えています。 今までスタッフへのLAN利用方法説明は私が各スタッフの部屋に行って個別に行っていたのですが、この講習会の前に同僚に引き継ぎを行い、講習会では同僚が全ての説明を行いました。

引き継ぎは短い期間でしたが、同僚達は教えるべき内容をきちんと習得してくれたので講習会は安心して見ていられました。ただ、同僚達も初心者に教える難しさは知らなかったようで、マダム達への操作説明には苦労していました。


配属先の送別会

出発直前の7月6日、 配属先のEMIGで送別会を行ってもらいました。 大講堂にスタッフがほとんど全員集まって、学校長とカウンターパートからスピーチと、イスラムの正装着、遊牧民トアレグの銀細工のプレゼントをもらい、こちらからは2年間の活動をPowerPointのプレゼンテーションで紹介しました。

送別会の様子。羊とヤギの丸焼きが3頭分、それにブロシェット(牛の串焼き)もあって盛大でした。ただ、配属先からプレゼントされたイスラム服を試着しているうちにマダム達が全部ビニール袋に入れて家に持って帰ってしまったのでほとんど食べられませんでしたが・・・ビールもケースごと誰かが持って行ってしまって飲めず、カウンターパートも呆れていました。

送別会は食べ始めてから30分でお開きになりました。別に今回が特別なのではなく、ニジェールでは食べながら長々と談笑するということはあまりしないからです。男はどんどん食べて、マダムは家族のためにどんどん食べ物をビニール袋に入れて、食べ物がテーブルの上から無くなったら解散です。

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