青年海外協力隊 ニジェール活動日記

2004/08/30〜2004/10/28


配属先周辺に生える不思議な椰子の木

 7月16日にニジェールに着いてから3ヶ月が過ぎました。振り返れば、初めの1ヶ月半は現地語学研修と国内研修旅行で、8月末に配属先に赴任したものの配属先は10月頭までバカンス中で閑古鳥、10月も第二週に入ってようやく新学期が始まって活動がスタートしたいった感じで、3ヶ月過ぎたと言ってもまだ活動っぽいことは3週間くらいしかしていません。

 そういうわけで、もう少し活動報告は待ってください。今回は、配属先や住居、それと隊員連絡所の様子を紹介します。。

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赴任

 8月30日、いよいよ赴任日です。この日は午前中、各自JICA担当者と共に首都ニアメ市内の関係省庁を訪問し、赴任の挨拶をしました。こちらの自己紹介は何とかできましたが、相手の言っていることがさっぱり分からず焦りました。

 ニアメで活動する3人は、この日の午後赴任となりました。日本から持ってきた荷物を事務所の車に積み込んで出発し、活動先の長や同僚に赴任の挨拶をした後で、住居に入ってニジェールでの生活がスタートです。

この日の夜、関係省庁や配属先の関係者を招いて16年1次隊 歓迎会(レセプション)が催されました。新隊員は各自自分の経歴や配属先を、現地語学訓練で学んだ言語でスピーチすることになっています。語学訓練の先生方もこのレセプションに招かれているので、これが現地語学訓練の成果報告という位置づけです。

左の写真がそのスピーチの様子です。皆無事にスピーチをこなすことができました。全員がスピーチの中で「私は独身です」というフレーズを使っていたので、お客さんは笑っていました。

ちなみに、日本から持ってきた制服を着るのは、公式には今日が最初で最後です。さっさと現地の人にあげてしまう人もいるようですが、帰国後の県庁訪問などで着用を求められることもあるので取っておいた方がよいようです。ニジェールの場合、肌寒い季節に着る機会もあります。

配属先の紹介

 ここからは、自分の配属先の 鉱工業地質技術大学 Ecole des Mines, de l'Industrie et de la Geologie の紹介をします。

 配属先は、通常は頭文字を取ってEMIG(エミッグ)と呼ばれています。首都ニアメ中心部から橋を渡ったニジェール川対岸のハローバンダ地区に20ヘクタールの敷地、2万平米の施設を持っています。1990年、西アフリカ経済共同体Communaute Economique l'Afrique de l'Ouest (CEAO)の工業分野の技術者養成施設として開校し、その後CEAOの再編に伴って1995年にニジェール政府に譲渡され、現在はエネルギー鉱山省の管轄になっています。

 学科は情報工学科、機械工学科、電気工学科、地質工学科、鉱物環境科の5つで、組織としてはこのほかに一般教養科があり、学生数は約200名です。日本語の訳名には"大学"とありますが、実際は技術者養成のための高等専門学校という位置付けで、研究活動はしていません。

 教育課程は一般教養1年、専門2年の3年制です。卒業するとDTS(Diprome de Technician Sperieur:上級技術者資格)を得ます。一部の学科ではDTS保持者や社会人を対象に、さらに高度な技術の教育を行うIngenieur(エンジニア)コースも行われています。Microsoft Excel講習などの社会人向けの短期セミナーも頻繁に行われています。

EMIGの正面玄関です。ニアメ市内中心部より、タクシーで15分くらいのところです。
建物と建物の間には、日よけの屋根がついています。日差しの強いニジェールではとてもありがたい代物です。構内は清掃が行き届いており、庭木も植えられています。
教室の入り口の様子です。建物は全て中庭を持つ開放型で、各部屋から直接屋外に出られます。机や椅子などの設備が屋外に放置されているということもなく、よく片づいています。
建物の2階部分からの風景です。真ん中の三角形の建物は集会場です。
集会場の中の様子です。中央には学生向けの掲示板があります。
電気工学科の実習室の様子です。よく整理整頓されています。
鉱物の成分分析器です。
機械工学科にある旋盤(金属加工機)です。
鉱石を処理する装置です。
マニピュレータ(ロボットハンド)です。残念ながらコンピュータ制御ではないですが・・・
エレベータのシミュレータです。
僕が2年間活動を行う、情報工学科の授業風景です。学内にはこういったコンピュータ室が3つあります。情報工学科は2001年に出来たばかりで、他の学科より教室はきれいです。ただ、残念ながら二人に一台くらいしかPCの台数がなく、PCも陳腐化が進んでいます。
写真右がカウンターパート(技術移転先パートナー)のラミン氏です。情報工学科長のラミン氏は元々電気技術者で、近隣諸国やフランスでの仕事の経験もある人物です。
右の写真は自宅でちょっと酒の入った時の写真なので、職場での写真も添えておきます。
情報工学科の同僚達です。左からバジョウ、ミドゥ、アバニという名で、皆20歳中頃です。バジョウはニジェール人ボランティアで、後の二人は常勤職員です。

ニジェールでは徴兵制がひかれており、若者は2年間軍隊に入るか、バジョウのように2年間国の機関でボランティアをするか選択することになっています。

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